伊勢堂岱遺跡 発見、調査、保存までのあゆみ

  伊勢堂岱遺跡は北秋田市脇神字伊勢堂岱に位置する、縄文時代後期前葉(約4,000年前)の環状列石を主体とする遺跡です。これまでに4つの環状列石を中心に、配石遺構、掘立柱建物跡、土坑墓、柱穴、溝状遺構などが検出されています。
 大館能代空港へのアクセス道路建設に先立ち、平成6年から秋田県教育委員会が発掘調査を行い、平成7年には直径約32mの環状列石Aと、弧状の環状列石Bが発見されました。さらに翌年の平成8年には環状列石C(直径45m)が確認されました。3つの環状列石が発見されたことで、地域住民や県民から遺跡の現地保存を求める声があり、平成8年12月に道路計画の一部を中止し、道路を迂回させ、遺跡を現地することが決定しました。
 平成9から22年度まで北秋田市教育委員会が発掘調査を継続し、遺跡の範囲や4つめの環状列石など遺跡の詳細な内容が明らかになり、4つの環状列石を主体とする、縄文人の世界観や社会構造を復元できる貴重な遺跡として、平成13年1月29日に国の史跡に指定されました。